資産性の高い物件を買える収入があるのなら持ち家、そうでないなら賃貸、かなと個人的には思っています。
私自身は確か36歳のときに今のマンションを購入したので、持ち家派、ということになります。ただ、実際に持ち家を購入した体験談と現状のマンション価格からすると、1行目の結論になります。
購入したマンションの資産価値は落ちていない
よく新築マンションは中古で売りに出すと、価格が下がる。新築プレミアムで高いから、新築よりも中古の築浅マンションを買ったほうがいいと言われます。じゃあ実際に私の買ったマンションはどうなのか、というと大して下がっていないどころか、逆に上がっているかもしれない、という状況です。
査定に出すわけにはいかないのですが、東京都西部の同条件の物件を検索してみるとよくわかります。

築年数は似たようなものが見つからなかったのですが、23区西部であることと、平米数、間取から中古マンションの検索をかけたところ、3,000万円台~4,000万円台の物件が出てきました。でも、私が購入したマンションは似たような条件で、新築での購入価格は2,850万円でした。
この金額だけ見ると、損はしていないし、良い買い物だったと思います。
年収400万でマンションを買おうとすると?
年収×5~6倍が住宅ローンの適正範囲だそうです。すると、2,000万~2,400万円ということになります。実際、私は頭金を出す余裕もなかったので、2,000万~2,400万円くらいで買いたいなぁと思っていました。でも結局、購入の決め手になったのは、その当時、2,000万円台で買える新築物件がどこにもなかったからです。今住んでいる物件しか残っていなかった。年収も400万円でした。
当時、マンションの価格が上がり始めていて、埼玉とかが視野になってくるレベルだったんですね。埼玉なら2,000万円台があるという状態で、23区だと3,000万円台前半が主流でした。頭金を出せる人は23区に買えるけど、頭金を出せない人は買えない、そういう状態でした。
なので、今だと頭金1,000万円出せるなら年収400万でも23区にマンション買えるかなって思うんですが、頭金出せないとなるとマンション購入は諦めて、家賃の低いところに住んで、その分、投資に回して老後の住まい確保の頭金作りに励んだ方がいいのかなと思います。
35年住宅ローンの罠
結局、私は頭金50万円を出して、それ以外はすべてローンにしました。フラット35ですが、借り切ることができず、セゾンから200万円ほどを借入しており、ダブルでローンを組んでいます。
当時の家賃は1Kの73,000円で、マンション購入後の住宅ローンの毎月の引落金額が85,000くらいだったと思います。毎月の家計には支障はありませんでしたが、ローンの完済が70歳になる、ということについて悩まされることになったのでした。
そもそもマンションを買った理由は、老後に住む場所がないという問題を解決したいがために購入したのでした。それなのに60歳以降も85,000円のローンを払えないよなぁと。
ちなみにマンションの営業は繰り上げ返済をしていけばいい、と言いますが、実際は投資に回していて繰り上げ返済どころではありませんでした。
結局は元本返済が50,000円台なのはまずすぎる、と思い、強制的に返済を進めていくため、返済期間の短縮を相談することにりました。フラット35の月々の返済金額を100,000円ほどにしてもらうことで、62歳くらいまでの完済する目途が立ちました。ただし、月々の総住居費は管理費等も含め、120,000円となり、節約に励む日々を送っています。
変動金利の恐ろしさ
住宅ローンはフラット35にしたので、固定金利だったのですが、足りなかった200万円分はセゾンから融資してもらいました。金利が2%で高いのですが、35年ローンなので月々の支払は少額でした。
ところが、200万円の方のローンは変動金利だったのです。現在、金利が上がっていますよね。5年ごとに金利の見直しがあるらしくて、ちょうど金利が上がったタイミングが見直しのタイミングとなり、さっそく月々の返済額が増えました。ほとんど金利を払っているようなものです。
そして、修繕積立金も上がったので、毎月130,000円弱を住居費に充てることとなりました。さすがにこれはまずい、と思いつつも、残り170万円ものローンを一括返済する現金もないので、次の返済タイミング前までに一括返済をしようと画策しております。
身をもって変動金利の恐ろしさを体感したのと、フラット35でよかったと思いました。当時は、変動金利のローンが通らないことにがっくりしましたし、固定の0.85%が高いとも思いましたが、今になってみれば固定で0.85%って天国じゃんって感じです。運がよかったです。
住宅ローン控除が使えず、固定資産税を取られる
今の自宅は30平米くらいなので、住宅ローン控除が使えないんですよね。だから、税金が戻ってくるなんてことは一切ありません。50平米くらいのマンションを買おうとすると、当時ですら多分5,000万~6,000万だったので、住宅ローン控除というのは、それなりに恵まれた環境の人だけが使える技なのだと思っています。
で、私は生前贈与もなければ、生きることに必死でなかなかお金も貯められなかったので、住宅ローン控除の対象となるマンションの購入ができなかったため、何の節税にもならず、固定資産税を毎年10万弱むしりとられていると。住宅ローン返済とは別に。持ち家はなかなかお金がかかります。購入時にも不動産取得税という謎の税金をけっこうな金額がとられたので、今でも根に持っています。
保証人問題・老後住まい問題からは解放される
賃貸だと保証人や保証会社を通さないと物件が借りれませんが、保証人問題からは解放されます。また、大家から立ち退きを要求される恐れもなくなります。そういった外部的要因で自分の生活が変わってしまうかもしれないストレスからは解放されますし、60歳までに完済できる目途が立てられるのであれば、老後の住まい問題もある程度解決します。
持ち家を持つ一番のメリットはここかなと思っています。
持ち家の出口戦略
私は今のマンションで死を迎えるつもりで購入しましたが、あれから6年くらい経って思うことは、Uターンしようかな? という気持ちが芽生えてきました。というのも、親の老後が心配だからです。でも住宅ローンを組んでいる手前、なかなか難しいということと、今のローンは今の会社だから払えている、ということもあります。こんなとき賃貸なら身軽に動けますよね。これがなかなか持ち家の難しいところです。
考えているのは、60歳でマンションを売りに出して、売ったお金で地元の利便性のよいマンションを買う、ということです。ただ、東海地方なので地震のリスクがとても心配なのと、私が60歳になる頃には母は高齢であるということです。
できれば、50歳くらいのときにこれができればいいけど、なかなか難しいだろうなぁと思っています。
もしも賃貸だったら…?
たぶん今も家賃73,000円の1Kマンションに住んで、NISAに全力を費やしていたと思います。そして、老後は親の住んでいる団地に住むのもいいなぁと思って、家賃35,000円の団地に住む人生になるような気がしますが、私が60歳になるころにはおそらく築70年とかになるので、追い出されないか、という不安もあります。
しかも、エレベーターがないので、80歳以降もそこに住むのはなかなか厳しいかなって思います。だから、結局NISAで貯めたお金で安いマンションを買って、そこで生涯を終える選択をするのかもしれません。
住宅という資産がないので、老後資金が心もとない感じになるのかなぁと少し思います。
でも、独身なので、50歳で地元に戻って35,000円の住まいに住んで、フルタイムのパートで60歳まで凌ぐことはできそうです。子供のことを考える必要もないので、正社員にこだわる必要はないと思っています。何より、親の近くにいることができるので、自分が安心できると思います。
住宅購入は運!
結局、私が持ち家で今のところ上手くいっている理由は、購入したタイミング、時期が良かったことと、固定金利であること、背伸びしすぎないローンだったこと、が理由だと思います。
となると、今の都内の平均年収からは購入できる物件はほとんどないですし、賃貸が無難なのではないのかなって思います。どうしても持ち家がほしい場合は、地方都市がいいのではないのかなと。
私自身もあまりにもお金が貯められないので、家賃を住宅購入に充てるしかねぇ! 一か八かだ! というリスクを背負うということを飲み込んでの住宅購入でした。
なので、今の住宅状況なら賃貸がオトクというか、生活破綻が起きずに済むと思います。